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腕時計のロマン~スマホ時代になおも腕時計に惹かれる魅力│個人的備忘録

(2022.5.7)

記事の概要

・腕時計に関する本を2冊読みましたので感想と個人的に気になった腕時計や見解を書いていきます。

・複雑機構や世界3大時計ブランド等の腕時計入門編的な知識が分かります。

 

 

1.はじめに

スマートフォンやスマートウォッチ全盛の昨今、時刻を確認するのにわざわざ腕時計をつけるというのはナンセンスな事かも知れません。スマホやスマートウォッチは充電さえしておけば常に正確な時刻を刻み、メンテナンスも特に必要ありません。歩行数や移動距離、消費カロリーを計測する活動量計にもなり便利なアプリとも連動するのでこんなに便利なものは使わない手はありません。
にも関わらず、昔ながらの機械式時計、特に高級時計は今、かつてないほどの人気を博しており、人気高級ブランドでは何百万円もする腕時計の供給が追い付かないほどです。

そんな時計好きの人達は腕時計の何に魅かれるのでしょうか。本記事ではロマンある腕時計の奥深い世界のほんの一部を独断と偏見でご紹介していきます。


・腕時計の本を2冊読みました

写真や動画を眺めているだけでも楽しい高級腕時計ですが、時計の歴史や複雑機構に関する知識を知ると更に奥深く楽しめます。最近腕時計に関する以下2冊の本を読みました。

 

誰もが聞いた事のあるあの高級腕時計ブランドの歴史や複雑機構についての解説、時計そのものの歴史も分かり、とても興味深いのでおすすめです。
以下の章にて腕時計知識や気になるブランドについて、個人の見解でまとめていきます。やや断片的な形にはなりますが、興味を持って頂ければ幸いです。

 

2.興味深いトピック、腕時計知識とブランド

ここでは独断と偏見に基づいて、興味深い腕時計知識・用語とブランドについて書いていきます。

・複雑機構

機械式時計の世界において、一例ではありますが以下の様な機能を備えているものが、複雑機構と呼ばれます。

・パーペチュアルカレンダー(永久カレンダーとも)
通常腕時計の日付表示機能は31日まで回転するので、30日で終わる月が来る度に1日ずれます。また、うるう年なんかでも狂います。永久カレンダー機能は、月ずれやうるう年でカレンダーが狂う事の無いすごい機能です。

トゥールビヨン
機械式腕時計は、手にはめている揺れや動きで自動的にゼンマイを巻き上げる事で動き続けますが、「姿勢差」と呼ばれる誤差が段々発生します(普通は1日15秒前後の誤差)。この姿勢差の問題を極限まで解消する複雑機構トゥールビヨンです。この機構を有するだけで時計の値段が格段に跳ね上がります(普通に何千万円とか…)。

・ミニッツリピーター
腕時計を視認する事が出来ない暗闇でも音で現在時刻を確認する事が出来る機能。鐘の音にロマンを感じられます。

クロノグラフ
いわゆるストップウォッチ機能

ムーンフェイズ
月の満ち欠けを表示する機能。腕時計の6時位置によく付いている。これもロマンのある機構。

 

・世界3大ブランド

腕時計の世界3大ブランドは以下です。

・パテック フィリップ(公式サイトはこちら)

ヴァシュロン・コンスタンタン(公式サイトはこちら)

・オーデマ ピゲ(公式サイトはこちら)

高級腕時計と言えばロレックスが最初に出てくると思いますが、実は3大ブランドには入っていません。上記3大メーカーの時計は基本的に何百万円で納期も何年もかかるものばかりで一般人にはなかなか手が出ないですね(汗)。雲上(うんじょう)メーカーなどとよく言われます。
これら3大ブランドは全てスイスの会社です。スイスで時計産業が発達した歴史として、フランス革命(1789年)の時代に当時フランスで時計作りをしていた職人たちが革命から逃れてきた地がスイスだったので、そこで時計産業が発達したとされています。
スイスの山奥は冬の積雪が激しく家にこもる事になるので、時計に使用する精密部品の発達に最適な環境だったのです。

 

・クォーツショック(1969年)を起こしたセイコー

スイスの何百万円もする様な高級腕時計には手が出せませんが、日本にも素晴らしい腕時計があります。セイコーがその代表格です。

世界で初めてクォーツ式時計(電池で動く時計)を発売したアストロンシリーズはビジネスマンが着けるのにとても相応しく、格好いいと思います。

1969年の初代アストロン。写真はセイコーミュージアム(銀座)にて撮影。

全ての電池式時計の歴史はここから始まったのです。セイコーは時計の動力であるムーブメントから最終組み立てまで一貫して行うことの出来るメーカーで、時計業界用語で言う「マニュファクチュール」です。

現在のアストロンにはGPSによる時間補正機能が多くのモデルで搭載されています。つまり、世界中どこにいても自動的に時刻補正を行い、常に寸分違わぬ時間を教えてくれるのです。

更に、アストロンの多くのモデルはソーラーバッテリーを搭載しています。つまり、アストロンを付けて出かけている限り、世界中どこにいても永遠に正しい時刻を知ることができるといっても過言ではないわけです。※実際にはソーラーバッテリーに寿命があるので永遠とはいきませんが、究極のメンテナンスフリーを実現しています。

腕時計に革新をもたらし続けるその姿勢と、広告塔である大谷翔平選手のイメージもぴったりで、本当にかっこいい腕時計だと思います。腕時計好きで知られる岸田総理大臣も、海外を外遊される際はアストロンシリーズをつけている様です。まさに日本を代表する1本と断言出来ます。

<参考記事(外部サイト)>

watch.daygate.com

 

シチズン

シチズンも腕時計を一貫生産できる国内メーカーとして頑張っていると思います。GPS機能の搭載や、ソーラー充電によるエコ性能をいち早く搭載し、薄型化などの技術革新に勤めている所がとても好印象です。
以下は、ソーラー充電のエコドライブを搭載した世界最薄(2.98mm)のモデルです(アナログ式光発電腕時計として。2016年6月シチズン時計㈱調べ)。

また、シチズンの「カンパノラ」ブランドも注目です。時計の歴史は天文学とも関わってきました。その歴史に敬意を表しつつ、天体のロマンを時計全体で表現するデザインは見事です。
クォーツ式時計の中に上述した複雑機構を積んだロマンティックな時計がたくさんあります。それでいて値段が天文学的ではない所がありがたいです。

こちらのモデルにはミニッツリピーター、ムーンフェイズ、パーペチュアルカレンダーなどのロマンティックな複雑機構がふんだんに盛り込まれています。

 

・1983年デビューの2大ファッションウォッチ~ジーショック、スウォッチ

カシオのジーショックとスイスブランドのスウォッチは現在でも若者に人気のファッションウォッチブランドとして揺るぎない地位を築いています。この2つのブランドはどちらも1983年にデビューしています。

カシオのジーショックは、腕時計に「タフネス」という概念を導入し、それを強烈に押し出した時計で、今なお世界で大人気です。ハリウッドセレブがつけていたり、他のファッションブランドとコラボした限定商品等もあり、人気は衰え知らずです。そんなジーショックを選ぶなら、初代から続く基本デザインのDW-5600型が間違いなくおすすめです。

 

スウォッチはスイス製の洗練されたシンプルなデザインをお手軽な値段で身に着けられるのが特徴です。スウォッチといえば、クォーツ、プラスチックのシースルーボディ、シリコンバンドにシンプルな文字盤のイメージです。シンプルゆえに長く使えて、人気も息が長いです。休日にファッションに合わせて気軽に楽しめるおしゃれな時計だと思います。

スウォッチはコラボ商品も充実しています(スヌーピー、アート作品等)。

 

余談ですが、SEIKO ALBA スプーンもジーショックと同じ位の頃に流行った記憶があります。個人的にはジーショックよりスプーンが好きですが、今は復刻版も出ていない様です。


写真:セイコーミュージアム銀座にて撮影

 

・日本の独立時計師~菊野昌宏


写真:「情熱大陸」(MBS)より

独立時計師という耳慣れない言葉ですが、読んで字のごとく、時計をつくる独立した職人です。菊野昌宏氏は最年少でスイス独立時計師アカデミーに所属する凄腕の時計師で、精密な機械式腕時計を内部の部品から手造りしています。日本らしい和時計のテイストを基本にしつつ、トゥールビヨンやミニッツリピーター、ムーンフェイズ等の複雑機構を取り入れた腕時計は至高の贅沢品と感じます。


菊野昌宏氏の作品、「朔望」(画像:Masahiro Kikunoホームページより)

蔦のはう和風なテイストの文字盤と月の満ち欠けを表す複雑機構のムーンフェイズが融合して、芸術の域にまで昇華しています。

菊野昌宏氏のホームページ:https://www.masahirokikuno.jp/
ツイッターMasahiro KIKUNO (@KikunoMasahiro) | Twitter

※2022年5月現在、菊野氏は時計の受注を一時中止している様です。

 

・現在のトレンド

スマホやスマートウォッチがある現在における腕時計のトレンドについて見ていきます。

キーワードはラグスポ

ラグスポは「ラグジュアリー・スポーツ」の略です。高級感があってなおかつスポーティ。オンとオフ、ビジネスとプライベートがシームレスに繋がる様な世界観を生きるのが今風なんだと思います。具体的な腕時計で言えば、オーデマ ピゲのロイヤルオーク、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーバーシーズ、パテック フィリップのノーチラスとかの事です。

また、ウブロが2006年に出した「ビッグ・バン オールブラック」は文字盤が真っ黒で、時計としての視認性が度外視された衝撃的なデザインでしたが、腕時計が時間を確認するツールとしての意味を超えて、自分の個性を表現するファッションアイテムに変化している事が象徴されています。

 

・マテリアルの飽くなき探求

腕時計のメタルバンド等に使われるのは主にステンレススチールですが、汗などで錆が付いてしまう事もあります。革バンドであればやはり汗でへたってしまったり千切れたりしてしまいます。耐久性の強い素材の追及は腕時計の永遠の課題かもしれません。
2000年に発表されたシャネルの「J12」は、ハイテクセラミックと言う、酸化せず、変色もせず、傷が付きにくい素材が前面に押し出されており、革新的です。

上述したスウォッチでもセラミックを前面に押し出したシリーズが出ています。

語りつくせぬ腕時計のロマン溢れる魅力をもっと知りたい方はぜひ書籍にあたってみて下さい。

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3.さいごに

たかが腕時計、されど腕時計で、何を選ぼうが個人の自由ですし、付けないのもまた自由です。スマホ、スマートウォッチがある現在、それでも腕時計を付ける行為は自己表現の意味合いが強まっています。
重要な事は時計の歴史やそれぞれのブランドヒストリーを知り、それに敬意を表して自分らしい腕時計を身にまとう事だと思います。見た目が大事なのはもちろんですが、そのブランドの歴史を知り共感した上で身に着ける事こそが奥深い自己表現になるのだと思います。TPOに合わせて、自分らしい1本を選べたらとてもかっこいい大人だなと思います。

この記事を通して腕時計のロマンに少しでも興味を持って頂けたら嬉しいです。

おわり